ジェリー「動物園へ行って来たんです。動物園へ行ったんですよ、動物園。」
<よこはま動物園ズーラシア>へ行ったんです。
「展示動物は、約70種400点で、オカピ、インドライオン、キンシコウなど珍しい動物たちに出会うことができます。
ズーラシアに希少動物が多いのは、種の保存を行っていくことを目的の1つとしているためです。 」
とHPにもあるように、一目ぼれしてしまう動物がいっぱいでした。
その日は、朝からよく晴れた、動物園日和の一日でした。
ピーター「そうね。よく晴れてますね。」
園内にはたくさんの、ひと、ひと、ひと。
けれど、それほど混み合う、ということはありません。
入口→出口、順路が→→→だからです。
↑や↓や←→なんて、ありません。
→→→だけです。
流れ作業のように、ひと、ひと、ひとは流れていきます。
ジェリー「でもあんた、そんなことより、おそらく動物園での出来事の方が知りたいんでしょうね。」
ラン屋・カメ屋は、おおはしゃぎ。
飼育員に指図を出します。
ラン屋・カメ屋「お呼び出しを申し上げます。飼育員B、飼育員B。Bは撮影を開始してくださぁい」
ジェリー「いやなら無理に聞かなくたっていいんですよ。だれもあんたを拘束してやしない、いいですね。それだけは忘れないで。」

ジェリー「……イヌ。そうさ、犬が一番だ。」
ジェリー「でもね、あんた、動物園の話は聞きたくないんですか。どうなんですか?」
ジェリー「つまりわれわれは、人間と交渉ができなかったら、どこかほかから始めるしかない。動物からだ! わからない? 人間はなんらかの方法で何かとかかわりを持つことが必要だ。人間同士でだめなら……人間でだめなら……物でいい。ベッドとでも、ゴキブリとでも、鏡とでも……いや、鏡は無理だ、それは最後の手段。ゴキブリとでも、それから……それから……敷物、トイレット・ペーパー……いやいや、これもだめ……鏡とおんなじ、血がでりゃわかる。」

園内の<ころころ広場>にて遊ぶ園長とラン屋・カメ屋。

退園ゲートにある水の流れる壁をなでるラン屋・カメ屋。
ある日、園長から1冊の本を手渡された。
箱の失われた……ずいぶん読み込まれたもの……か。
エドワード・オールビー。
アメリカの劇作家。代表作は「ヴァージニア・ウルフなんか恐くない」「動物園物語」。
現在(といっても、1974年5月の話だが)、オールビーも数十匹の猫を飼って暮らしている、そうだ。

『エドワード・オールビー全集2』を読むボブ。
ジェリー「一匹の犬。これこそまさに賢明の策と思われた。だって、人間は犬の最良の友というじゃないですか。てなわけで、その犬とぼくとは互いに顔と顔を見かわした。ぼくの方が長くね。それで、それ以来、ぼくの見たものは変わっていない。いつ顔を合わせようと、ぼくらは足を止めて、悲しみと疑惑の入りまじった目つきで見つめ合う。それから互いに無関心を装って別れる。何事もなくすれちがう。ぼくらには理解があるんだ。すごく悲しいことだけど、それを一つの理解だと認めないわけにゃいかないだろう。なんとかして互いにかかわり合いたいという努力はいつも失敗したんだからな。こうして犬は残飯あさりに戻っていったし、ぼくはぼくで、孤独ながら自由な通路へと。いや、ぼくは戻ったんじゃないよ、孤独にして自由な通路をかちとったと言うべきだ。もっともそこまで失ったことがはたして勝利と言えるかどうかは疑問だがね。とにかくぼくにわかったのは、愛情も残酷さも、それぞれバラバラに独立しているかぎり、それ以上の結果は生み出さない、しかしだ、愛情と残酷さ、その二つが結合したとき、同時に一つの行為に表われるとき、その熱情がはじめて人を動かすってことだ。けっきょく勝ちえたものはじつは失ったものなんだな。その結果はどうなった、犬とぼくとは妥協をしただけだ、ただの取り引きさ。ぼくらは愛しもせず、傷つけもせず、互いに相手の心にふれようとはしない。じっさいね、犬に肉(引用者注:致死量とおぼしき分量の猫いらず入りのハンバーグ)を食べさせようとした行為は、果たして愛の行為だったんだろうか? ことによると、あの犬がぼくにかみつこうとした行為こそ、愛の行為だったんじゃなかろうか? われわれがのべつこんなふうに誤解ばかりしてるんだとしたら、そもそもいったいなんで、愛なんて言葉を発明したんだろう?」
『エドワード・オールビー全集2』「動物園物語」鳴海四郎訳/早川書房刊
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コメント
ボブさんも読んでいるオールビー、私も読んでみます!
投稿者 はなび : 2006年11月03日 11:43
“ズーラシア”楽しそうな動物園ですね。
可愛いお写真ばかりです。お賽銭ワニ?!あれはコンクリートの置物?ですか?
ボブちゃん~本当に字が読めるんじゃないの?ってくらいの読書ぶりで、おもしろかったです。
投稿者 sachiko : 2006年11月11日 17:12
>> sachikoさん
コンクリート……だと思います、はい。
もともと、賽銭(?)のワニではなく、ただの造形物(とことどころに同じような動物たちがいました)であったようですが、誰かが投げ始めたんでしょうね。
思わず私も投げようかとサイフを見てみましたが、500円玉しかなかったので諦めました。
投稿者 時雨 : 2006年11月13日 20:25